娚の一生
好みの分かれる漫画だと思う。
主人公のつぐみや海江田さんに共感できない人もいるだろう。三巻のストーリー展開に無理があると思うのは、私だけではないはず。
でも、なんだかんだで私はこの漫画が好きだ。それはやっぱり、つぐみの硬く縮こまってしまいがちな心をなかば強引に引っ張っていく海江田さんに、まんまとほだされてしまうからだと思う。(もちろん口説かれているのは私ではないけれど)
強引さが魅力の男性を描く漫画は少なくないが(代表的なのは『花より男子』道明寺だろう)、海江田さんは52歳の哲学教授。
大企業の課長、でも恋愛は失敗ばかりのつぐみに「結婚しよ」と迫る…が、「幸福論は専門外」と言い切る海江田さん。年齢と人生経験を重ねていて、つぐみの沈みがちな気分のさばき方が絶妙。でも、妙に子どもっぽいところもあってそれも微笑ましい。
まぁ現実で夫にしたいかというと必ずしもYESではないけれど、そこは漫画、浸りましょう。
an・anの紹介記事で知った『娚の一生』
西炯子 作 全四巻
written by ちゆき