2017年2月15日水曜日

112日間のママ

最愛の妻を悪性乳がんで亡くしたニュースキャスターの手記。転移を告知するか、仕事を辞めるか、緩和ケアにするか、延命しないか。治療を支える夫として決断に悩む清水健さんの切実な言葉に引き込まれます。

今このタイミングで妻とシェアできてよかったと思う。第二子が生まれたばかりの僕ら夫婦には感慨深い話だった。もし自分たちが同じ運命に置かれたらどうするか?病と死、生きることへの願いと選択。その実録は、今愛する誰かのために悩んでいる人に寄り添うような、優しい問いかけにもなっている。

『巻末の写真ではどれも奈緒さんが本当に幸せそう』と妻の感想には綴ってあった。本当にその通りの素敵な写真たち。このまま、この二人に生きる未来が続いて欲しかったな。

"僕らの選択は、僕らにとっては「正解」だった、誰になんと言われようとも。そして、こういう「夫婦の選択」があった、ということをひとつの参考にしていただければと、切に願います"



妻が志津図書館で借りた『112日間のママ』
清水健 著 (小学館 2016/2/13)

2017年2月4日土曜日

112日間のママ

奈緒さんの強さに驚いた。妊娠初期に乳癌とわかり、どれほどショックだっただろう。出産を強く望み、周りを思い弱音を吐かず、ずっと笑顔で過ごされた。

そして本当はどれだけ苦しく心残りだっただろう。112日間のママ。私の息子も現在3カ月。これからの成長をご主人と見ていきたかったはず。その心情を想像するだけで切ない。

清水さんは「自分ばかり弱音を吐いてしまった」と書かれているけれど、彼もどれほど悩み苦しんだだろう。奥様の病気を少数の人にしか明かさず毎日キャスターとしてカメラの前に立ち続けた。奈緒さんの治療では大事な選択の度に葛藤し、「スイッチ」を押す。

最期の場面では何枚ティッシュを消費したことか。お互いを心から思いやる、強い絆で結ばれたご夫婦だ。

巻末の写真ではどれも奈緒さんが本当に幸せそうで、とても素敵な女性だと一目でわかる。

当たり前のように感じてしまっている家族の存在と日常を大事にしなければと感じた。

志津図書館で借りた『112日間のママ』
清水健 著 (小学館 2016/2/13)
文 ちゆき